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しなやかな発想

合気道の受けを取ることと、営業をしていて、ある契約を取ることとの間には相関関係があるような気がします。

基本的なスタンスとしては、人は相手の考えていることを十全に把握することができない。相手がいくらにこやかに対応してくれて、いい言葉をかけてもらっても、最後の契約までたどり着けるかは霧の中だ。これは営業をしたことのある人だったら、もしくはお店の販売員の方だったら誰しもご経験のあることでしょう。

つまり、うまくいった、と思っても契約にいたらないことが結構ある、ということです。

その時どのように考えるかで、成長の曲線に差が出てきますよね。

自分のシステムが優れている。相手が理解していないだけ、と考えるのはもちろん間違っています。単に独りよがりなだけです。

かといって、理解してくれないのは自分が根本的に間違っており、自分には才能がない、なんていう発想も悲観に過ぎます。

また、書類を整え、システムを整え、比較優位の製品を作ったら、なにもしなくてもうまくいく、というスタンスも楽観に過ぎるように思います。

合気道の上達ではうまくなるためには相手の技の受けを数多くとることになります。合気道では試合がありませんので、簡単に自己満足→飽きてしまう、というパターンに陥りやすいのです。それを避けるためにはとにかく受けをとる。

どんなわがままな仕手でも受けをとる。
うまい仕手でも受けをとりきる。
危険な技でも受けで対応する。

これはいってみれば、自分の中に常に「他者」を住まわせる、ということにつながります。他者との共存。

できるとも、できないとも思わないで自分を行為の中に投げ込むこと。何度も繰り返していると、結果そのものは実は気にならなくなります。

受けを取るときにはもちろんコツのようなものがいくつかあります。

1.わがままな仕手は、こちらの身体を柔らかくする契機を与えてくれている。
顧客に振り回されるのではなく、振り回す人を通じて自分が柔軟になる。

2.うまい仕手とは、共鳴する至福を味わう。
相手も乗ってくれるような営業になった場合は、とことんたのしむ。

3.危険な技は、防衛本能を呼び覚ましてくれる。
手厚い敬語でモンスタークライアントを遠ざける。

記事公開日: 2009年11月12日
最終更新日: 2010年04月01日

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